うずら母には育ての親がいて、その人は母の実家の隣に住んでるばあさんなのですが、
90歳になったこともあって、うちで預かることになりました。

育ての親っていっても、ちゃんと本当のばあさんもまだ健在なんです。

だけど、むかしの田舎の農家だから、兄弟が猫のように多くて、

さらに寝たきりの大ばあさんとか、出もどりの小姑とかうじゃうじゃいて、

うずら母は幼いころ、忙しい母親に甘えられず寂しい思いをしたらしいのです。

そんなとき、隣に住んでた独身のおばさんが、うずら母を秘蔵子にしてかわいがったということです。

学校から帰ると、実家よりまず、このばあさんの家にただいま〜と
上がりこむ感じだったとか。

そんなこんなで、われわれも、物心ついて以来、本当のばあさんのようにして付き合ってきたのです。

ばあさんには、へそくりがあって、子どもがいない。

ご近所やら、遠縁やらは、ばあさんを老人ホームに入れて、
へそくりをだましとろうとする陰謀を、着々と進めていたようです。

ばあさんは、老人ホームなんて入りたくないって言ってたのに。

そんなごたごたに巻き込まれそうになった母は、
年だし、身よりないし、預からないとねーと、
腹をくくったようだ。そしたら、勝手に老人ホームに入れられることもなくなるし。

年寄りのへそくりなんてみみっちいもの、いらんしね。
うずら家では、ばあさんの世話に必要な分と葬式費用だけもらって、あとは町にでも寄付しようと決まった。

ばあさんはいざこざに巻き込まれて、すっかり疲れ果てている。
そしてうずらに言った
「女の幸せは、結婚や!!身寄りがないから、こんな面倒なことになる。
あんたのお母さんにも迷惑かけるし・・・
・・・・・わしは、あんたの将来が今、一番心配やわ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・絶句。

おいおいおいおいおい・・・・自分の健康、心配してくれ。90なんだから。

90歳まで、現役の職業婦人だったばあさんは、内心うずらのあこがれだった。
気ままな一人暮らしや、年をとっても自立してかくしゃくとしてるところとか。
そのばあさんにそんなこと、言われるなんて・・・・・・・。

憎らしいほど、頭クリアーだしね、ばあさん。
ぐさっときたよ。

老人介護問題に揺れる、うずら家でした。

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